YKK株式会社 2023年度 第3四半期連結決算のポイント

2024年02月08日

I.YKKグループ連結業績
 YKKグループの当第3四半期連結累計期間における売上高は6,879億円(前年同期比2.9%増)、営業利益は438億円(前年同期比4.7%減)、経常利益は469億円(前年同期比6.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は309億円(前年同期比12.4%減)となりました。

Ⅱ.事業別連結業績
(ファスニング事業)
 当第3四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、世界的な物価高騰や、米国、欧州における金融引締めの継続、中国の不動産不況等により、景気の先行き不透明な状態が続いております。更に第2四半期同様に、アパレル小売在庫の高止まりが継続しております。
 このような事業環境のもと、車両部材分野向け及び官需分野向け販売が堅調に推移したものの、ジーンズやジャケット等のアパレル分野向けの販売が低迷しました。また、Americas、ASEAN地域を中心に顧客の在庫調整の影響を受け、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同期比4.6%減の2,753億円となりました。営業利益は、継続的なコストダウンの実施や円安による為替影響等の増益要因があったものの、インフレーションに対応するための賃金改定実施による労務費の上昇に加え、販売ボリュームの減少及び操業度低下の影響が大きく、前年同期比42.7%減の208億円となりました。

(AP事業)
 当第3四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内においては、住宅価格の高騰継続により新設住宅着工戸数は前年同期を下回りましたが、3省連携補助事業により、リフォーム需要は好調を維持しております。海外においては、北米では、ビル建材、住宅建材市場ともに金利の高止まりによる不動産市況の悪化により着工が減少し、中国では、不動産購入規制緩和策が打ち出されているものの、市場は縮小傾向が続いております。また、台湾では住宅投機抑制策により、インドネシアでは金利の高止まりにより、住宅着工の減少が継続しております。
 このような事業環境のもと、日本国内においては、住宅分野では樹脂窓、アルミ樹脂複合窓に加えて、内窓を中心としたリフォーム商品等の販売が、ビル分野では改装関係の販売が引き続き好調に推移しました。海外においては、北米では住宅建材の販売が低迷しましたが、中国では内需における中級市場の販売が、台湾では集合住宅向けの販売が、インドネシアでは住宅分野において新商品のアルミ窓、ドアの販売が引き続き好調に推移しました。
 この結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同期比9.1%増の4,106億円、営業利益は、国内における資材価格の高騰や販管費の増加等の影響を販売ボリューム増加や価格改定、製造コストダウン等により吸収し、前年同期比101.0%増の256億円となりました。