YKK株式会社 2022年度入社式について

2022年04月01日

YKK株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大谷裕明)は、2021年度入社式を、本日9時より黒部事業所(富山県黒部市)にて実施しました。

<代表取締役社長 大谷裕明からの式辞(要旨)>

 皆さん、数多い企業の中からYKKを選んでくださり、ありがとうございます。新型コロナウイルスの影響で、皆さんは貴重な時間や機会を2年以上にわたって失ってしまったのではないかと思います。今日から黒部での研修が始まりますが、そこで多くの皆さんと交流を深め、楽しんでいただければと思います。

 本日はこの場を借りて、YKKについてと、皆さんへの期待を述べさせていただきます。まずYKK精神「善の巡環」についてですが、「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という考え方であり、皆さんは今後、この言葉をいろいろな所で見聞きするかと思います。YKKが創業から今年度の2022年まで、88年にわたって掲げ続けてきた精神であり、またそれをわかりやすく説明したものが、経営理念「更なるコーポレート・バリューを求めて」になります。企業の存在価値とは何か、私たちは何のために事業活動を継続するのかを社内外に示し、困難に直面した際にはどのように行動するべきかを立ち返って考える。それが、YKK精神「善の巡環」です。YKKは2019年度から2021年度のコロナ禍で大きな困難に直面しましたが、その時に立ち返って何をすべきか示してくれたのも、YKK精神です。また経営理念では、優れた技術、商品、経営をもって、全てのステークホルダー、すなわち社員の皆さん、お客様、そして社会に貢献するという考え方を表現しています。そして事業を進める上では公正を判断の基準としています。これらYKKの経営思想を理解し、共感していただければ嬉しく思います。

 YKKでは4年ごとに中期事業計画を策定しており、今年は2024年までの第六次となる中期事業計画の2年目です。新常態下でいかなる変化があろうとも、私たちは社会と共に持続的に成長していく、そして常に社会へ貢献するという考えで事業を進める。YKK精神に基づき、こうした考えを再認識して、社員の皆さんと中期事業計画を策定しました。持続可能な社会への貢献は企業の使命であると、報道などで語られていますが、このコロナを機に、新常態下で大きな変化が起こると考えます。YKKのファスニング事業が関係するアパレル産業でも、この変化は起きつつあります。アパレル産業は、石油産業に次いで環境を破壊する産業と言われています。統計によると、全世界で生産されている衣料品のほぼ半分は、廃棄されるかリセールされているといいます。こうしたビジネスモデルが、長続きするとは思えません。これまでの無駄な、過剰なものづくりが見直され、適時・適材・適量のビジネスモデルへと転換するときに、私たちはお客さまから、経験したことのない短納期やコストに対するご要望を受けるでしょう。市場の変化で生産地も多様化し、より消費地に近いところへと縫製が移っていけば、世界中で事業を展開するYKKにとって千載一遇のチャンスです。これをどう掴んでいくかは私たちの努力次第であり、事業計画の中でも多くの施策を掲げましたが、特にスピードを意識し、納期サービスを徹底していきたいと考えます。それに加えてコスト競争力も重要です。最も多くのお客様が存在する、一番のボリュームゾーンである市場の真ん中に入っていける力を付けようと、私たちは2013年から一丸となり取り組んできましたが、2021年度にはその成果がかなり出ました。アジアや中国などの事業会社では、他社と遜色ないレベルまでコスト競争力が高まっています。一人でも多くの方に、より良いものをより安く提供する。これがYKKの創業当時からの思想です。より多くのお客様に貢献するうえで、量は貢献度のバロメーターです。私たちはお客様の数にこだわって、市場から最も支持されるメーカーとなり、お客様への貢献を追求していきます。また、社会への貢献というYKKの理念は、サステナビリティの思想に通じ、変えてはならないものの象徴です。一方で、デジタルテクノロジーの進化は、YKKが変えなくてはいけないものです。お客様の課題や煩わしさ、社員の皆さんの負荷やストレスなどを解決する手段がデジタルテクノロジーであり、従来のメカトロニクスにデジタルテクノロジーをあわせ、お客様や社員の皆さんに貢献していくという考えで、取り組みます。

 YKKグループ全体の経営方針の中に「多様人財」という言葉があります。企業にとって人こそが全てであり、最も尊い企業資産は人です。人は事業を運営するうえでの材料ではなく、財産です。そうした思いから、「財」の字を使っています。私たちはものづくりの会社であり、技術によって裏付けられた価値を創造し、持続的にステークホルダーへ提供していく必要があります。それを支えるのが社員の皆さんであり、「人財」です。YKKには「失敗しても成功せよ、信じて任せる」という言葉があります。成功している人とは、失敗しない人ではなく、いろいろな失敗を経験することで、それを活かして、新しくより良い価値を創造できる人だと思います。同じ失敗を繰り返しても、新たな財産や知見は得られませんので、繰り返してはいけません。失敗を恐れず、チャレンジ精神を常に持ち続けてください。

 YKKは日本を含む全世界/地域に多様な才能と可能性溢れる人財を有しています。本日、その人財の一員になられた皆さまを、社員を代表し歓迎します。YKKでの仕事を通じ、皆様が素晴らしい社会人へと成長されることを祈念して、私の式辞とします。

2022年度YKK入社式  出席人数 63名
(内訳 YKK株式会社 55名、黒部地区関係会社 8名)


(参考)
<2022年度 新入社員数>   
YKK株式会社    55 名(64名)( )は昨年度実績
YKK AP株式会社 230名(304名)
関係会社         9名( 4名)
YKKグループ  294名(372名)