YKK株式会社 2021年度 第3四半期連結決算のポイント

2022年02月09日

I.YKKグループ連結業績
 YKKグループの第3四半期連結累計期間における売上高は5,929億円(前年同四半期比23.7%増)、営業利益は506億円(前年同四半期比155.0%増)、経常利益は527億円(前年同四半期比136.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は364億円(前年同四半期比201.3%増)となりました。

Ⅱ.事業別連結業績
 YKKグループでは、2021年度から組織再編を伴う新たな経営体制での事業活動を行っております。それにより、以下の前年同四半期比較は、当該組織再編を反映した組替後の業績で比較しております。

(ファスニング事業)
 当第3四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスワクチンの普及とそれに伴う活動制限緩和により、欧米を中心とした消費市場の回復基調が持続、アパレル小売市場でも前四半期に続き回復傾向が見られました。しかし、世界的なコンテナ不足によるサプライチェーン混乱や半導体供給不足など依然先行きは不透明な環境であることに加え、各地で繰り返される変異株による感染再拡大もあり、当社でも一部拠点における操業制限を実施しながら生産活動を行っております。
 このような事業環境のもと、中国・ASEAN地域を筆頭に、物流遅延やコスト高への懸念から秋冬物向けの受注時期が前倒しとなった影響等により引き続き販売が好調に推移し、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比45.5%増の2,557億円となりました。営業利益は、前四半期に続き、原材料価格高騰や輸送運賃の上昇等の減益要因があったものの、販売ボリュームの増加及び操業度の向上に加え、継続的なコスト削減及び販管費抑制の取組による増益影響が大きく、341億円(前年同四半期は営業利益10億円)となりました。

(AP事業)
 当第3四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内では、新型コロナウイルスワクチンの普及が進み新規感染者が減少する中、新設住宅着工戸数は前年を上回りました。海外では、北米を中心に市場の回復がみられるものの、中国では不動産規制の強化等により、引き続き厳しい状況にあります。
 このような事業環境のもと、国内においては、首都圏を中心に樹脂窓・アルミ樹脂複合窓の販売が好調に推移しました。また、業界初となる顔認証キーによる施開錠が可能で、利便性とセキュリティ性を高めた「新スマートドア」を10月に発売するとともに、業界初となる奥行4尺サイズで、自宅で過ごす"おうち時間"を充実させられる「ルシアスバルコニー」を12月に発売しました。海外においては、市場が回復している北米、アジア地域での販売が好調に推移しましたが、中国内需向けの販売は前年を下回りました。
 この結果、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比11.1%増の3,345億円、営業利益は、販売ボリュームの増加や製造コストダウンがあったものの、資材価格高騰影響を吸収できず、前年同四半期比9.7%減の167億円となりました。