ニュースリリース

2011年3月2日 
YKKグループ 2010年度連結業績と2011年度経営方針

1. YKKグループ 2010年度 連結業績

〇第3次中期経営計画(2009年度~2012年度)について

 YKKグループにとって2010年度は第3次中期経営計画の2年目となります。本中期経営計画は2008年度のリーマン・ショックに端を発した世界的金融危機により先行きが不透明な厳しい事業環境の中で作成いたしましたが、「事業価値の確立」「ブランド価値の確立」をYKKグループの中期経営方針として掲げ、各事業方針に基づき遂行しております。工機については、2010年度より「工機事業本部」から「工機技術本部」に位置づけを変更し、取り組んでおります。

〇事業環境

 2009年度は想定以上の市場悪化の影響を各事業が受けました。その一方で、ファスニング事業においては、いち早く事業環境が好転し、2010年度は世界ベースでファスニング需要が急増しました。建材事業は、2009年度は国内市場が大変厳しい状況でありましたが、2010年度は新設着工戸数に底打ち感が見られ、住宅エコポイントなどの政策により住宅市場全体のパイが押し上げられました。海外建材事業は、アメリカは市場回復の遅れにより低迷しておりますが、新興国においては需要が拡大基調にあります。

〇連結業績の推移

 YKKグループの2010年度連結売上高は5,447億円で、前年に対して117億円の減収(2010年度より会計期間を統一するため、2009年度は在外連結子会社の連結期間は15カ月。その影響額は499億円)、計画に対しては334億円の増収、前年比97.8%、計画比106.5%となる見込みです。営業利益は、314億円で前年に対して129億円の増益(会計期間変更による影響額は56億円)、計画に対して120億円の増益、前年比169.7%、計画比161.8%となる見込みです。売上高営業利益率は5.7%で前年および当年計画を上回り、当期純利益は165億円で前年に対して127億円の増益、計画に対して55億円の増益、前年比434.2%、計画比150.0%、ROAは2.3%で前年および当年計画を上回る見込みです。

〇ファスニング事業

 ファスニング事業の2010年度売上高は2,259億円で、前年に対して234億円の減収(会計期間の変更による影響額は421億円)、計画に対して182億円の増収、前年比90.6%、計画比108.7%となる見込みです。営業利益は339億円で、前年に対して56億円の増益(会計期間変更による影響額は52億円)、計画に対して104億円の増益、前年比119.7%、計画比144.2%となる見込みです。全地域とも好調であり、グローバルベースでの市況回復による販売ボリューム増加と2009年度から取り組んできた損益分岐点の引下げ効果が重なり好業績となりました。

〇建材事業

 建材事業の2010年度売上高は3,133億円で、前年に対して114億円の増収(会計期間変更による影響額は72億円)、計画に対して150億円の増収、前年比103.7%、計画比105.0%となる見込みです。営業利益は50億円で前年に対して107億円の増益(会計期間変更による影響額は△1億円)、計画に対して28億円の増益、計画比227.2%となる見込みです。国内事業は新設住宅やビルの着工が底を打ち、また政府の需要喚起施策も打ち出される中、増販と製造拠点の再編や営業業務の構造改革などの「第2次国内建材事業構造改革」の効果が反映されました。海外事業はアメリカの建築市場が大幅に低迷する一方、その他の国が堅調に推移しております。

〇第3次中期経営計画の進捗状況
 本中期経営計画は、以下のシナリオに基づき策定いたしました。
売上 :前半2年は落ち込み、後半2年で回復。2012年度には2008年度レベルに回復
営業利益 :厳しい事業環境下において確実に利益を出す仕組みを構築
そのためには、ファスニング事業・建材事業どちらも「技術力の更なる強化」に注力する。

 2009年度は予想を上回る販売の減少により営業利益も計画を下回りましたが、2010年度は市況の回復に加え施策の効果もあり、売上の伸び以上に営業利益が回復しました。前半2年を振り返り大きな方向性は合っているという認識でおり、当初のシナリオに沿って後半2年に臨んでまいります。

2. YKKグループ 2011年度 経営方針

(1) YKKグループ 2011年度 経営方針

〇第3次中期経営計画の最重要ポイント

 本中期経営計画達成に向けての最重要ポイントは以下の2点とし、取り組んでまいりました。

「売上が伸びない事業環境下でも利益を確保する体制づくり」
「技術力の更なる強化」

〇2011年度YKKグループ 経営方針

 YKKグループはファスニング・建材の両事業を中核とし、それを支える工機技術本部によるグローバル事業経営を大きな経営方針としています。各事業・本部の方針は以下の通りです。

  • ファスニング事業
     「顧客商品価値向上に向けた取組み強化による増収増益の達成」
  • 建材事業
     国内:「窓化へ向けての営業力強化」「窓リフォーム分野への深耕」
     海外:「既存事業における増収増益の達成」「新規市場開拓による基盤の拡大」
  • 工機技術本部
     「両事業を支える技術開発力の強化」

〇工機技術本部について

 工機は本年度より事業本部の位置づけから研究開発機能も有した「工機技術本部」 としてファスニング・建材事業を支える技術集団に生まれ変わりました。「事業を強くすること」「事業の主体性」を第一義として、意識改革もこの一年間で進んだと手ごたえを感じおり、2011年度も引き続き取り組んでまいります。その重要方針として「製造現場に適応する設備開発」「中長期視点での技術開発」を掲げております。

(2) ファスニング事業 2011年度 事業方針

〇2011年度ファスニング事業方針及び重点課題

 第3次中期事業計画においてファスニング事業では「商品・技術による事業競争力の強化」を掲げています。2011年度の事業方針としては、顧客商品価値向上に向けた取り組み強化による増収増益の実現を掲げ事業運営をしてまいります。重点課題として「顧客タイプ別取組みの深耕」「地域R&D体制による地域ニーズに適合した商品開発力の強化」「アジアにおける供給力強化」の3点を挙げております。

〇顧客タイプ別取組み

 高級ファッションブランド・高機能スポーツアパレルや産業資材・ファストファッション・中国をはじめとした新興国内需向けといった様々なファスニングの顧客をタイプ別に区分し、それぞれ顧客タイプ別のニーズにあった商品をマーケティング・営業・開発・製造一体となって投入し、取り組んでまいります。

〇R&D体制の強化

 顧客タイプ別に商品開発を推進する上で、地域R&D体制の強化が重要です。EMEA(欧州・中東・アフリカ)では2年前に発表したようにイタリアの開発体制を強化しており、ハイファッションブランド向けの新商品を創出しております。今後の更なる拡販のために開発事例を増やしてまいります。東アジアではファストファッションやアジア市場向けの商品開発体制を一層強化し、特に特殊開発品への対応力を強化します。ASAO(ASEAN・南アジア・太平洋州)は中国からの縫製移行を捕捉すべく、東アジアとの連携を密にしながら、商品バリエーションを豊富に揃えていくための開発体制を今後、構築してまいります。アメリカを中心とする米州においては、特に車輌向けの高機能商品の開発体制を更に強化いたします。

〇アジア市場への取組み

 アジアにおける供給力強化のための重点投資が課題であり、2011年度投資総額261億円のうちの54%にあたる142億円をアジア向けに投資いたします。そのうち東アジアで88億円、ASAOで54億円を投資します。主要な例として、バングラデシュ社ダッカ工場の第3期工場増築・増設が挙げられ、2011年11月稼働を目指し現在建設中です。

〇2011年度ファスニング事業計画

 ファスニング事業の2011年度事業計画は、以上の施策を遂行しつつ、増収増益に設定しております。売上高は2,363億円で前年に対して104億円の増収、前年比104.6%、営業利益は363億円で前年に対して24億円の増益、前年比107.0%を計画しています。尚、前提条件となる2011年度事業計画レートは1ドル=85円、1ユーロ=115円、人民元=12.8円です。

(3) 建材事業 2011年度 事業方針

〇窓の断熱性能について

 住宅において熱の出入りが大きいのは開口部で、開口部の断熱性能を上げることで家庭部門のCO2削減の効果があります。更に政府の住宅エコポイント制度などもあり窓にスポットライトがあたってきました。この4月からは性能表示制度も窓に一本化し一層窓化が進むと考えられます。

〇窓リフォーム

 新設住宅の増加が見込まれない市場環境下、ストック住宅に対して施策を講じてまいります。国内市場においては政府の掲げた新成長戦略「中古住宅・リフォーム住宅の倍増」などに基づき窓リフォーム市場の拡大を見込んでおります。YKK APとしては、生活者・住宅業界・社会全体の視点に基づき「環境負荷低減への貢献」を窓リフォームに対するビジョンとして設定しました。このビジョンに基づき、具体的な施策として、MADOショップの拡大と新チャネルへの積極提案を行い、2011年度は商品・工法・サービスの更なる拡充を図ってまいります。

〇窓事業の基盤確立

 2011年4月より、これからの「窓」の基本形、というコンセプトで開発した窓商品、APW300シリーズをいよいよ全国展開いたします。窓は、サッシ・ガラス・窓部品から構成され、それぞれが大きな役割を果たしています。今後の高断熱化を図るには、「ガラスの高機能化」、操作性・安全性を強化していくには「窓部品の機能強化」が欠かせません。
 そこで2011年度は窓事業の中核工場、埼玉窓工場を立上げます。第一期において窓を製造供給する工場が7月に稼働いたします。加えて断熱性能を向上するべく、Low-Eガラスの製造工場を当初計画よりも1年前倒しの2012年10月に稼働させます。
 また、断熱性能だけでなく、窓として操作性・機能性に優れている必要があると考え、本年「ガラス・機能部品事業推進部」を組織化し、ガラスの強化と更に窓部品の付加価値向上、アイテム拡充をしてまいります。

〇海外市場新規開拓

 昨年の経営方針説明会にて事業化調査を発表いたしましたが、調査の結果、2011年度はマレーシアに現地法人、ベトナムに駐在員事務所を開設いたします。2011年度は合計で9カ国・地域にて海外建材事業を推進してまいります。

〇2011年度 建材事業計画

 建材事業の2011年度事業計画は、以上の施策を遂行しつつ、増収増益に設定いたしました。売上高は3,360億円、前年に対して227億円の増収、前年比107.2%、営業利益は99億円、前年に対して49億円の増益、前年比198.0%を計画しております。

(4) 2011年度連結収支計画

〇2011年度事業計画数値

 YKKグループ全体の2011年度収支計画は、売上高5,797億円で前年に対して350億円の増収、前年比106.4%を計画しております。営業利益は362億円で前年に対して48億円の増益、前年比115.2%、売上高営業利益率は6.2%、純利益は239億円で前年に対して74億円の増益、前年比144.8%、ROAは3.3%で計画しております。設備投資額は、前年を大きく上回る561億円を予定しております。

 2010年度は第3次中期経営計画における重要な年と位置づけておりましたが、2011年度も本年度の勢いを持続させ、中期経営計画達成に向けて確実に成果をあげて取り組みます。慢心と油断は禁物とし、グループ一丸となって改めて強い決意をもってやりぬいてまいります。

以上

ページの先頭へ